「自分の好きなこと」と「自分のやるべきこと」をいかにして両立させたらいいか?というのは、誰しもが関心のあるテーマじゃないかと思います。
お悩み相談とかでも「好きなことを仕事にするにはどうすればいいか?」みたいな質問をよく見かけますからね。
で、これについて、もともと僕は「趣味と仕事は分けるべき」というふうに思っていました。
というのも、違う目的を同時に達成しようというのは難易度が高いからです。
それだったら、趣味の時間は自分が楽しむことだけを考えて、仕事の時間は結果の出ることだけをやる。
そんなふうに別々に取り組んだほうがいいと考えていたんですね。
ただ、これっていうのは、仕事について「とにかく我慢しましょう」と言っているようなものです。
まあ、少しの我慢なら大丈夫かもしれませんが、人間である以上、我慢にも限界というものがありますから、場合によってはそれでは上手くいきません。
それに、こういう考え方だと、最低限の仕事しかやらないようになってしまうんですよね。
やっぱり、仕事で結果を出している人というのは、総じて仕事を楽しんでいる人でしょう。
仕事が楽しいからこそ、どうしたら結果が出るかを常日頃から考えていて、あれこれ試行錯誤しつつ、結果を出せるわけです。
そう考えると、「仕事は我慢だ」と考えている人には、これと同じことは絶対できないと思うんですよね。
よって、「結果の出ることだけをやる」っていうのは、ちょっと無理がある話だよな…なんて考えていたわけです。
じゃあ結局のところ、どうすればいいのか?
この問題について、僕のいまのところの結論は、「自分の習慣を変えることで、好きなこととやるべきことを一致させる」というものです。
これについては、以前書いたこちらの話を読めば、より理解が深まるんじゃないかと思うのですが、
例えば、最初は好きじゃなかった曲も、何度も何度も聞いているうちに、いつの間にか好きになっていたという経験はありませんか?
あるいは、サウナ好きの人に話を聞くと、最初からサウナが好きだったわけではなく、何度か繰り返しているうちに、その良さに目覚めた…なんて人が多かったりするわけです。
つまり、何が言いたいのかというと「僕らは自らの習慣を変えることで快楽を感じる対象をコントロールすることができる」ということです。
そして、その性質を利用することによって、結果を出すためにやるべきことを、自分が好きなことに変えられるんじゃないかと思うんですよ。
それを図示するなら、最初はこんな状態だったのが、
習慣を変えていくことでこうなるわけです。
例えば、あなたがダイエットのために毎朝1時間の苦手なランニングしなければいけない状況にあるとしましょう。
ランニングが苦手で、それまで我慢して何度も挑戦してきたのだけれど、イマイチ継続できなかった。
でも、その代わり1時間歩くことなら楽しめるかもしれないわけで、じゃあ、まずはそこから散歩を習慣にすればいいのです。
そして、それが実際に習慣として定着したら、今度は走る方向へ徐々にシフトしていく。
新しい習慣によって脳が変化している分、今度はランニングも楽しめるようになるかもしれません。
…と、まあ実際には、そう簡単に行くかはわかりませんが、僕が言いたいことは、そんなかんじのことです。
自分が楽しめることのうち、やるべきことにイチバン近い行為をまずは習慣化すること。
そうやって獲得した新しい習慣によって自分の感性が変化し、最初は無理に追い込んで我慢しないとできなかったことが、自然と楽しんでできるようになること。
一言でまとめるなら「日々の鍛錬によって楽しむ能力を身につける」ということでしょうか。
「好きなこと」と「やるべきこと」の両立について質問されたとき、いまのところ僕が話せるのは以上のことになります。