アリストテレスの話が面白い件について

最近、こんな本を読んでいるのですが、かなり面白いので、ぜひともみんなに読んでもらいたいです↓

 

「ニコマコス倫理学」なんて本を紹介されても、「なんだそれ?」「興味ないよ」なんて声が聞こえてきそうなので、簡単に説明しておくと、

この本は、かの有名な哲学者アリストテレスが「幸福とはなにか?」という誰しも関心のあるテーマを徹底的に突き詰めて考えてみた…的な内容のものです。

 

倫理学というのは、「いかに生きるべきか?」という道徳を扱った学問のことであり、

タイトルに「ニコスマス」とついているのは、アリストテレスのノートを本としてまとめたのが、息子のニコスマスさんだからだと言われているそうです。

 

いかんせん2500年くらい前の人が書いた本なので、現代に生きる僕らからすると「読んでも理解できるかな?」なんて心配になってしまいそうですが、訳者の人の解説や補足のおかげもあって、かなりわかりやすくなっています。

そして、アリストテレスの話はすごい合理的なんですよね。これがすごい面白いところです。

 

sponsored link

幸福の定義とは?

 

この本では、まず最初に「人間にとっての幸福とはなにか?」ということを定義することから話が始まるのですが、

こういうテーマを考えるときって、ふつう僕らだったら、例えばですが、

・「Aさんは家族に恵まれて幸せな人生を送った」→「じゃあ、家庭円満が幸せの鍵だ」とか、

・あるいは「Bさんは仕事で成功し、富も名誉も獲得して、すごく自信に満ち溢れている」→「ということは、社会的な成功が幸せの条件だ」みたいな、

そうやって、具体例を上げていくことで「幸せとはなにか?」を考えたくなると思うんですよ。

 

でも、アリストテレスの場合は、

「行為の目的の系列から善について考えよう」という、

かなり理屈っぽいところからのアプローチから始まるんです。

 

どういうことかというと、幸福とは人間にとって目的そのものであり、決して他の目的の手段とはなりえない、

だからこそ、「この行為の目的の、その目的の、さらに目的の…」と目的を辿っていって最終的に到達するものが人間にとって最高の善であり、幸福だと言えるのではないか?

…と議論を進めていくわけですね。

 

そして、そういったことから、アリストテレスは人間にとっての最高の善、あるいは幸福を

「他の動物にはない、人間ならではの働きに基づいた魂の活動」

というふうに定義するに至りました。

 

じゃあ、そうなると「人間ならではの働きって何だ?」みたいな疑問が浮かぶわけですが、それは本を読んでもらうか、また別の機会があれば話すということで。。。

 

自己啓発系の本より面白い

 

「こうしたら幸せになれますよ~」的な自己啓発の本は、本屋さんに行けば、たくさん並んでいると思いますが、

僕が理屈っぽいめんどくさい性格なせいもあってか、同じ時代に書かれたヘタな自己啓発の本を読むより、2500年くらい前に書かれたアリストテレスの話のほうが納得できます。

まあ、理屈で考えたところで、行動しなきゃダメなんですけどね^^;

 

まあ、それはさておき、「幸せってなんだろう?」という疑問があって、なおかつ「自己啓発の本はなんだかなあ…」という人は、ぜひとも読んでみるとおもしろいんじゃないでしょうか。

なんだかんだいって、やはり古典こそが最強なんだと思います。

sponsored link