前回の記事について、もう少しだけ話を続けさせてください。
というのも、ここまで話を聞いても実行できない人がいると思っていて、そういう人たちへメッセージを追加したいからです。
「ダメな理屈は分かるけど、どうしても万人受けを目指してしまう…」
そういう人は、おそらく「認められたい」「好かれたい」という気持ちがあるんだと思います。
人に批判されたくないからこそ、穴のないもの・完全なものを目指してしまうのでしょう。
でも、「職業としてやる」ということは、そういうことではないと思うんですね。
職業としてやるということは、相手から認められることでも、相手から好かれることでもなく、相手からお金をいただくということです。
すべてを両立させられたら、それに越したことはないのかもしれませんが、いきなりそんなことできるわけがありません。
それに個人的には、どれだけ能力があったとしても「そんな両立は目指すべきではないのではないか?」とさえ考えています。
もちろん、趣味としてやっているのであれば、「好かれたい」「認められたい」というモチベーションも全然アリでしょう。
でも、僕らはそれを職業としてやるわけですから、むしろ、嫌われるくらいの覚悟が必要だと思います。
結局のところ、「何も売るものがない」とか「アイデアが思いつかない」というのは、なにか自分の理想とする製品・サービスがあって、それと比較した上で「同じものを作ることができない」ということなのでしょう。
ちなみに、これはビジネスに限らず、創作の世界でも同様のことが言えるのではないでしょうか。
例えば、小説家になりたいにも関わらず「自分には書きたいものが見当たらない」という人は、心の底では「憧れである〇〇さんと同じような作品を出したい」と考えているのだと思います。
とはいえ、当然ながら、その作家と同じように書くことはできません。あくまで自分は自分です。
なので、結果として「(あの人と同じような作品を書きたいけど、それができないから)書きたいものが見当たらない」ということになるわけです。
でも、それだと”ごっこ遊び”と変わらないんですよね。
誰かを真似て作ったものを買うくらいなら、お客さんは本物を買うでしょうし、それにお金をいただく以上、自分が楽しむのではなく、お客さんを楽しませる姿勢がなくてはいけません。
というわけで、「売るものがない」と悩んでいる人は、もしかすると職業人としての姿勢を見直すことから始めるべきなのかもしれません。
その姿勢とは、前回も言ったとおり「クラスの1人に刺さることを目指す」ことであり、それ以外のクラスの29人に批判されたり罵倒されても気にしないということです。
やっぱり、どんなことでもそうでしょうが、そういう姿勢ができていないと、どれだけノウハウがあっても、どれだけ能力があっても、あるいは、どれだけチャンスがあっても、成功なんて覚束ないと思います。
そういえば、サイバーエージェントという有名なインターネットの広告代理店がありますが、創業当初は「インターネットでなんかやろう」ということしか考えていなかったそうです。
それでも成功できたということは、きっと彼らには職業人としての素晴らしい姿勢があったということなんでしょう。
そして、これは逆に言えば、その姿勢さえちゃんとしていれば、お金もアイデアもノウハウも能力も、何もないところからでも、時価総額1兆円の企業が創ることができるということなのかもしれません。
…というわけで、偉そうに「職業人としての姿勢」とか語ってしまって、自分はそんな話のできる人間じゃないのですが、これからこういうことを大切にして、頑張っていきたいと思います。