万人受けを目指してはいけない

自分でビジネスを始めようとする人にとって、よくある悩みが「何を売ればいいのかわからない」というものだと思います。

「ビジネスアイデアが思いつかない」とか「商売のネタがない」みたいなのも、これと同じ悩みに含まれるでしょう。

かくいう僕も、そういった悩みを抱えていました。

でも、冷静に考えれば、たとえ拙くとも何かしら売るものはあるはずなんですよね。

極端な話、「あなたの話なんでも聞きます」とか、そんなかんじで悩み相談のサービスを1時間1000円にして募集すれば、誰かしらは必ず来るでしょう。

なんたって、世の中には「レンタル何もしない人」なんてサービスがあるくらいですから^^;

ただ、こういう話をすると「いや、でも…」と難色を示す人が多いです。

そういう人は、きっと万人受けするサービスを売ろうとしているのだと思います。

しかしながら、そこを目指すのは得策ではありません。

というのも、万人受けする製品・サービスを作ろうとすると、どうしても面白みのないものになってしまうんですよね。

例えば、教科書って絶対的に正しいじゃないですか。

教科書は、東大を始めとした偉い学校の先生が何人も集まって作っているわけですから、そこに書かれていることに間違いはありません。

でも、「じゃあ、だからといって、みんなお金を払って教科書を読みたいか?」というと、別に読みたくないですよね^^;

教材として必要だから利用しているだけで、ふつうに本屋で売られていたら誰も買わないでしょう。誰も買わないがゆえに、本屋にさえ並ばないかもしれません。

むしろ、本当に面白い本というのは、個人による間違いだらけの偏った意見なわけで、正しさとはかけ離れた存在なわけです。

結局、人が心を動かされるのは、欠点のない完ぺきなものではなく、穴だらけの凸凹した不完全なものなのでしょう。

そういった歪な形をしているからこそ、僕らの心に引っかかるわけです。

まあ、その引っ掛かり方には、良い印象を与えるものもあれば、悪い印象を与えるものもあるのでしょうけど。。。

ちなみに、サカナクションというバンドがありますが、そのボーカルの山口さんはこんなことを仰っています。

サカナクション自体、クラスの1人か2人に深く刺さればいいと思ってやっていて……10人20人に歌ってもらう曲じゃなくて、1人か2人にぐっと刺さる音楽をやっていけばいいっていうスタンスなので。

10人20人ではなく、クラスの1人か2人に深く刺さることを目指す…。

これは成功を目指す上で正しい態度ですし、この「クラスの1人に深く刺さる」というのは、自分でビジネスを始めるにあたっても、有効かつ分かりやすい指標になると思います。

というわけで、万人受けを目指すのはやめましょう。

最初からクラスの10人20人を狙ってしまうと、誰の心にも引っかからず、結果としてクラスの1人さえも獲得できなくなってしまいます。

そうではなくて、クラスの1人に深く刺さることを目指すのです。

それなら頑張れば何とかなる話だと思いますし、運が良ければ、そこからクラスの10人20人に広まる商品・サービスへと成長するかもしれません。

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