【感想】「仕事は楽しいかね?」デイル・ドーテン

  • 2020年6月24日
  • 2020年6月24日
  • 書籍

「仕事は楽しいかね?」という本を読んだので、感想を書いていきたいと思います。

 

仕事は楽しいかね? (きこ書房) /デイル・ドーテン (著), 野津智子 (翻訳)

 

経緯としては、仕事に関するおすすめ書籍としてよく紹介されていたり、Amazonの関連商品でも繰り返し出てきて、レビューの件数がすごく多い有名な本ということもあって、ちょっと読んでみようかなと思ったのがきっかけです。

 

あと、この「仕事は楽しいかね?」というタイトルには興味が惹かれますよね。

ちょっと調べてみたところ、英語の原題は”The Max Strategy”となっているのですが、邦訳するにあたって「仕事は楽しいかね?」というタイトルに変えているのは上手だなあって思いました。

というのも、僕を含めて誰しもが「いまの仕事は自分には向いてないんじゃないか」とか「もっと楽しいものがあるんじゃないか」みたいなことを考えたことがあるでしょうから。

 

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本の内容について簡単な紹介

あなたの仕事観を揺さぶる180ページの物語。

大雪で閉鎖になった空港で、偶然出会った老人の問いかけに、動揺してしまった35歳の”私”。日々の仕事にゆきづまりを感じ、未来に期待感をもてない私に、老人は一晩だけの講義を開始した。

「仕事は楽しいかね?」商品説明文より引用

 

この本は、しがないサラリーマンとして働き、日々の仕事に対して不満のある「私」と、発明家・起業家として巨万の富を築き、多くの実業家・政治家などから相談を求められるほどの成功者である「老人」との2人の会話をもとに物語が進んでいく形になっています。

本書で語られるのは一貫して「試すこと」の重要性です。

 

「成功するというのはね、右に倣えをしないっていうことなんだ」と老人は語ります。

みんな、「成功するにはかくあるべき」という幻想に縛られて、ただ一つのことをやり続けたり、周りの人たちと同じ目標に向かって進んでいこうとしがちです。

しかし、一つの努力を続けるにしても、世の中は変化していくのであって、その問題があなたの解決を待ち続けてくれるわけではありません。

それに、みんなが同じ目標に進んでいけば、競争が激しくなることは免れませんよね。

だから、みんな頑張っているのに、どういうわけか上手くいかないのです。

 

では、どうすればいいのか?

それは「明日は今日と違う自分になること」であり、そのため必要なのが「試すこと」なんですね。

人生は、学校の課題とは違い、計画や目標を立てて、それを順番にこなしていけば上手くいくような規則正しいものではありません。

それよりも、実際にあれこれ試してみて、上手くいった方法を選んでいったほうが成功しやすくなるのです。

試すだけなら失敗はありませんから。

実際、多くの成功者たちが人生の途中で目標を変えた人であることや、世紀の大発明が計画通りには行かなかった、いわゆる”失敗”の中から生まれたことなどを例に挙げて、老人は「試すこと」の大切さを私に説明していきます。

 

読んでみての感想

 

僕がこの本を読んで、まず最初に思ったのが「論理的思考って、そこまで頼りにはならない」ということです。

問題は、平均より上の人があまりに多くて、みんな普通になってしまっているってこと

第10章より

ここにもある通り、学校の試験なんかを考えればわかりやすいと思うのですが、論理的に考えたことって答えが一つに定まってしまいます。

これは学校の試験なら何も問題ないのですが、ビジネスの話となると、みんながそこに殺到して市場が飽和し、価格競争が起きて、途端に上手くいかなくなったりするんですよね。

必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。

第6章より

だからこそ、あれこれ実際に試してみて、偶然の力を借りる必要があるということを著者は伝えたいのだろうと思いました。

 

ちなみに、本書には「今日の目標は明日のマンネリ」とか「長期的な計画は意味がない」みたいな話がよく出てくるので、読んだ人の中には、世間一般で言われている努力の意味について、それこそ主人公のように混乱してしまう人も多いかもしれませんね。

でも、この本は決して、日々の積み重ね的な努力をバカにしているわけではないと僕は思います。

 

例えばですが、「ただの小学生が、実験室に入り込んで薬品を混ぜて遊んだ結果、新素材が発見された」なんてことはありまえませんよね。

そうではなく、それまで研鑽を積んで専門知識を得た研究者がやるからこそ試すことに価値が生まれるわけで、ふだんから何の努力もしていない人がなにかを試したところで何も得られません。

それに、試すことで何かを発見したとしても、それを現場に活かすためには、また別の努力が必要になってきます。

もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?

第11章より

本書にもある通り、素晴らしいアイデアにふさわしい自分にならなくてはいけないわけです。

 

この本を読むまで、僕は上手くいく方法を探すことばかり考えていましたが、それって、よくよく考えれば自分の経験した範囲でしか認識できないんですよね。

そうなると、「過去の経験から上手くいく方法を探す」よりも「いろいろ試して経験値を増やしていく」ほうが成功にとって重要なわけです。

だから、本の中で老人は「昨日と違う自分になる」という目標を語っているんでしょう。

これについて、僕は最初「違う自分になった結果ダメだったらどうするんだ」と納得できないところもあったのですが、ダメならダメで元に戻せばいいだけですからね。

 

そして、「試すこと」「昨日とは違う自分になること」が、仕事を楽しくするためのコツなんだと思います。

人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが〈何度も〉繰り返されていくのだよ。

第2章より

一つのやり方に固執し続けるから退屈したりするわけで、僕も日々、自分を変えていかなくちゃなあって感じました。

 

こんな人におすすめ

 

この本を読んでイチバン参考になるのは、いわゆる「優等生タイプ」の人じゃないでしょうか。

いつも真面目に頑張っているのだけれど、なぜか結果が伴わないという人は、参考になるところが多いと思います。

あとは、タイトルにもある通り「仕事が楽しくない」という人も、ホーソーンでの実験の話など、得られるものが多いと思いますので、ぜひ読んでみてください。

仕事は楽しいかね? (きこ書房) /デイル・ドーテン (著), 野津智子 (翻訳)

 

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