無意識を変えるコツ

こちらの記事に書いた話の続きになるのですが、前回の内容をこちらでも簡単にまとめておくと、

「自分にとってメリットがあるはずなのに、なぜ行動できないことがあるのか?」「その理由はおそらく意識的な願望と無意識的な動機の間にズレがあるからじゃないか」という話でした。

では、意識の側から無意識を上手くコントロールして、そのズレを埋めることはできないのでしょうか?

 

結論から言うと、それは可能なことだと思います。

無意識が意識に影響を与えるように、意識の側からも無意識を変化させることはできます。

ただし、意識に比べて、無意識の持っている力が強大であるということを忘れてはいけません。

僕ら人間が牛や象を移動させるのと同じで、自分の進みたい方向に無理に引っ張ったら、簡単に跳ね飛ばされてしまうわけです。

だからこそ、牛や象の場合は「自分から進んでもらえるように餌を用いて誘導する」といった工夫をするわけですが、無意識の場合も、それと同じように力任せではなく、ある種の工夫が必要になってきます。

 

で、その工夫の1つ目が、「必ず快感を伴うレベルの目標にとどめておく」というものです。

何度も繰り返してきたように、意識で「こんなにメリットがあるから」と、どれだけ上手く嘘をついたところで、自分の無意識はそれを全部見抜いています。

だから、早く目標を達成しようと努力したところで、その努力自体に快感が伴わなければ、早晩、無意識の抵抗をくらって途中で挫折してしまうんですよね。

なので、まずは目標を快感が伴うレベルに下げて、そこに身体が馴染んできてから徐々にレベルを高めていくようにしましょう。

 

例えば、ダイエットのために「毎日1時間ランニングする」という目標を立てたとしても、それまで運動してこなかった人間が、いきなりできるわけないんですよね。

それでも、みんな「これくらい頑張れなきゃダメ」なんて言って理性で抑えつけて無理に継続しようとするのですが、そうすると無意識の中で「ランニング=嫌い」という等式がどんどん刷り込まれていくわけで余計に頑張れなくなってくるわけです。

こうなってしまうと、自分の心が壊れるのが先か、途中で挫折してしまうかの二つに一つでしょう。

だからまずは、「毎日10分のランニング」といった具合に時間を短縮するか、「毎日1時間のウォーキング」というふうに目標のレベルを低くして、運動そのものを好きになること。

そうやって「運動=楽しい」ということを身体に刷り込ませていってから、少しずつ目標のレベルを高くしていけばいいのです。

 

で、工夫の2つ目ですが、それは「毎日必ずやる」ということですね。

先程、工夫の1つ目のところで「その努力自体が楽しいということを身体に刷り込ませる」という話をしましたが、そうする以上、「気が向いたときに」ではなく、毎日必ず繰り返すようにしないと身体は覚えてくれません。

そりゃ「電話番号を覚える」とか、頭で考えてできることなら、気が向いたときにやるだけで大丈夫でしょうが、いま僕らがやりたいことは、いわば「感情を鍛える」ということなので、気分に関係なく規則的にやらなくてはいけません。

ただ、1つ目の工夫から、それは「快感を伴うものでなくてはいけない」ので、努力の量自体は減らしてしまって構いません。

 

さっきのランニングの例だと、体調が悪いときは家の周りを一周するだけにしておく…とか。

とにかく、絶対にこなせるレベルのものを前もって用意しておいて、どんなに都合が悪くても毎日必ずやることが大切ですね。

 

 

さて、僕の経験上ですが、「気が向いたとき」に「できるだけ多く頑張る」という努力をしている人が多くて、これは無意識の視点から見ると、間違いばかりなんですよね。

よって、「毎日必ず」「楽しめる範囲で少しずつやる」という習慣的な努力をすることで、無意識が少しずつ変化していき、意識で決めた目標に向かって自然と行動できるようになっていくのだと思います。

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