【読書感想文】習慣の力/チャールズ・デュヒッグ(著)

  • 2020年6月7日
  • 2020年6月7日
  • 書籍

もう数ヶ月前になると思うのですが、習慣形成というみんなに関心のあるテーマで、かつ退屈せず楽しんで読める本を見つけたので紹介したいと思います↓

習慣の力〔新版〕
チャールズ デュヒッグ (著)

この本はタイトルの通り、「習慣を作るための効果的な方法」と、「習慣を作ることがいかに人生に良い影響を与えるのか?」についてまとめてくれている本になります。

 

おそらく「良い習慣を作る」ということについては、誰しも興味があることだと思うし、その方法について何かしら調べた経験のある人が多いんじゃないでしょうか。

ただ、この手の話にありがちなのは、「こうやったらうまくいきますよ~」みたいなノウハウをまとめただけのものが多いんですよね。

 

それに対して、この本というのは、実在する個人・企業・社会がどのように習慣を変えていったかを物語形式でまとめてくれています。

例えば、ファブリーズがなぜヒットしたのか?という商品開発の物語から習慣形成に必要な3つの要素について解説したり、

アルコアという企業が従業員の安全向上に取り組み始めた途端、なぜか売上が伸びていったのですが、そこから一つの習慣の影響が組織全体にどれだけ波及していくのかを確認したり、

お客にたくさんのお金を使ってもらうため、カジノがどれだけ人間の脳の性質に沿って設計されているかを見つつ、習慣が僕らの人生においてどれだけ大切なのかを教えてくれたり。。

  

もちろん、習慣についてノウハウ的なものを知らない人にとっては、うまくいく方法について結論を教えてくれるだけでも十分価値を感じられると思います。

でも、僕らがこういう本を読む理由というのは、実際に自分の習慣を変えていくことにあるわけで、決して知識を得るだけのためじゃありません。

それを考えると、実験結果をまとめただけの話を聞かされても全然ピンと来ないというか、いまいち行動につながらないんですよね。

 

結局、科学というのは一般性でもって研究するものなので、それ自体は役に立つのですが、個人の人生に影響を与えるという点では、どうしても力不足になってしまいます。

「このウイルスで10万人が亡くなった」と言われるよりも、個人を例に挙げて、その人の人生が未知のウイルスによって、いかに壊されてしまったかを具体的に語るほうが、僕らは恐怖を感じやすいじゃないですか。

よって、本当に個人を変える力があるのは物語であり、この本が面白い理由というのは、そういった物語を中心に話を展開していってるからだと思うんですよね。

なので、「習慣を変えたくて、いろいろ調べたけど、あまり参考にならなかった…」という経験のある人は、ぜひ一度読んでみてほしいなと思います。

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