ネット上の誹謗中傷について思ったこと

ある有名なテレビ番組の出演者である若い女性の方が、ネット上で誹謗中傷のために亡くなったというニュースが話題になっていますね。

詳しい経緯は知らないけれど、誹謗中傷した人はもちろん、番組側の演出にも問題があるんじゃないかとか、いろいろ議論になっているようです。

今回の件で空気感が変わって、いままでだったら取締の対象にならなかったものも、これからは変わってくるかもしれません。

 

僕みたいなレベルの人でさえも、たまに変な人に絡まれたりするわけで、これが芸能人となると、きっと日常的にそういったメッセージが山ほど届くだろうし、そりゃ凄まじいプレッシャーになるでしょうね。。

それが今回のような事件に繋がったとしても全然おかしくないでしょう。

 

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悪口はストレス発散になるのか?

 

ただ、それにしてもわからないのは、匿名で相手を誹謗中傷するというのは、ストレス発散になるとか、そういう何かしらのメリットがあるからやっている人がいるんでしょうけど、本当にスッキリするものなんですかね…。

そういう書き込みをしたことはありませんが、小さい頃のモノに当たったり、人に八つ当たりした際の経験から考えると、たぶんそんなことはなくて、ただ後味の悪いかんじが残るだけなんじゃないかと思います。

 

じゃあ、なんでそんなことをやってしまうのかというと、きっとアルコール中毒の人が、お酒をやめられないのと同じような理由なんじゃないでしょうか。

悪口を書き込むことによって自分が弱くなり、そして自分が弱くなったために、また誰かを誹謗中傷する…という負のスパイラルに落ちてしまっている。

だから、そういうことを考えると、書き込む側も書き込まれる側も、両方が損しているわけで、悪口というのは、本当に誰も得しない人間の弱さの行為なんだと思います。

 

誹謗中傷が起きる理由

 

で、今回の事件でもそうですが、特定の誰かが憎くて誹謗中傷するかというと、それは本質じゃないと思うんですよ。

たしかに、誰かが気に入らないからこそ、その相手に向かって感情をぶつけるのでしょうが、その「気に入らない」というのはあくまできっかけでしかなくて、

本質的な原因というのは、自分が自分の人生を生産的に生きられていないことにあるはずなんですよね。

 

生活のために仕方なく自分を押し殺して働くだとか、親があれこれいうから本音をいえばやりたくないけど受験勉強をするとか、あるいは誰かに理不尽に怒鳴られたり、罪悪感を植え付けられたり…。

そういった感情を、人は意識の部分では忘れたつもりでも、無意識の部分ではしっかり覚えているものです。

で、そういうことが続くと、なんだかわからないけどイライラする…ということになるのでしょう。

 

だから、たぶん悪口を言われる側の人はは、そのきっかけに過ぎず、本当の原因は、悪口を言う側の生き方みたいな部分にあるんだと思うんです。

ましてや、避けられない人ならまだしも、テレビやネットなわけですから、気に入らないなら観なければいいわけですから。

それを自分から粘着して…っていうのは明らかにおかしいですよね。

 

ネガティブな感情は今後どこへ向かうのか?

 

これからは取締を厳しくして、ひどい書き込みをした人を徹底的に逮捕しようというふうに世の中が変わるかもしれません。

僕もそういう仕組みがあったほうがいいとは思います。まあ、先のことはわかりませんが。

ただ、ひとつ気になるのは、もしそういう世の中になったとして、捌け口を失ったネガティブな感情たちは、その後どこへ向かっていくのか?ということですよね。

 

いままでそういうことをやってきたわけですから、「悪口を書き込めなくなったから自分の中で感情を前向きに昇華させよう!」みたいな生産的な結論にたどり着く人は、なかなかいないんじゃないでしょうか。

ということは、そのイライラは消えずに、どこかへ向かっていこうとするはずなのですが、まあ、それが変な事件に繋がったりしないように願うばかりです。

 

人類全員が自分自身に対して生産的に生きられるような社会を実現できたとき、こういった悲しい事件はなくなるのでしょう。

ただ、現実はそれとは程遠いわけで、そんな理想が実現されるまでは、誹謗中傷を取り締まっても、人の悪意はなにかしらへと形を変えて、世の中を周り続けていくのだろうなと思います。

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