先日、こんな面白い記事を見つけました↓
「カプコン会長が50代で始めたワイン事業で大成功できた理由」
http://diamond.jp/articles/-/152460
まず、カプコンの会長がワインを作っているなんて知りませんでした。
中学時代は、モンスターハンターにめちゃくちゃハマっていたので、
カプコンと聞くとなんか懐かしく感じます。
まあ、そんなことは置いといて、他にも勉強になる部分はあったのですが、
個人的に興味深く感じたのはこの部分です↓
銘柄を秘密にして、各自のワイングラスに並々と注いで味わう。面白いことに、一番最初に空になるグラスは誰もが同じだった。美味しいワインはすぐなくなり、不味いワインはいつまでも残っている。有名であるとか高価であるとかは、実はあまり関係がなく、ひたすら美味しいワインから減っていくのである。
ところが酒屋やワインセラーを覗くと、誰もが銘柄や価格を気にして買っていて、中身で選んでいるわけではない。つまりワインはブランドと価格で買われているのだった。
つまり、「値段が高い=おいしい」ではない、ということです。
価格というのは、購買率を左右する一つの要因なのであって、
その商品の”おいしさ”とか質を担保するものじゃないのです。
これって、なんだか面白くありませんか?
普通の常識で言えば、「おいしさ」に価値があるとされがちです。
でも、今回のワインの例で言うと、
ブランド・歴史とか希少性というものにも価値があるんだ、
ということが理解できますよね。
こういう話は、楽器とかでも聞いたことがあります。
例えば、ギターで言うと20万円くらいまでの範囲なら、
引きやすさだったり、音質の良さみたいなものが、
値段に比例して良くなっていくそうなんです。
でも、20万円を超えてくると、音色の違いに差があるだけで、
「高いから良い音」というわけじゃなくなってくるんですって。
バイオリンでよく名前を聞く”ストラディバリウス”も、
”ストラディバリウス”にしか出せない音があるだけで、
何億という値段がつくからいい音がでるわけじゃないそうです。
むしろ、音の良さだけで言えば、
現代の普通のバイオリンの方が優れているという話を聞きました。
こういうのは、まさに希少性に価値がある例ですよね。
だから、「値段が高い=高品質」ではないということです。
そして、これは逆に言うと、
多少は品質が悪くても、別の部分で付加価値を生み出せば、
より高い値段で売ることができる
ということになります。
これは、粗悪な品を無理やり売りつけるのとは違います。
なので勘違いしないでくださいね^^;
そうではなくて、お客さんに正しく中身を伝えた上で、
同意してもらったのであれば、
どんな値段で何を売ろうとも問題無いということです。
中身に嘘をつくから詐欺なわけで、誠実にやっているのであれば、
値段はこっちの都合で決めても全く問題がないということなんですよね。
もちろん、隣の八百屋さんで150円のキャベツが売っていたとして、
それと全く同じものを300円で売ったとしても全然売れないでしょう。
でも、そこにキャベツを美味しく調理するレシピを付け加えれば、
全く同じものでも300円で売れるかもしれません。
あるいは、陳列する棚をめちゃくちゃ豪華にすれば、
錯覚で「良いキャベツかも」となって300円で売れるかもしれないわけです。
だから、経済学でやるような需要と供給のグラフって、
あまり役立たないように感じてしまいます。
というのも、ちょっとした工夫を加えるだけで、
同じものが別の値段で売れたりするからですね。
「需要と供給のグラフ」っていうのは、これですね↓
(画像の引用元:中学校社会 公民/需要と供給)
これって、全く同一の商品を想定しているから、
「均衡点より高いと売れない」みたいな結論になるのです。
例えば、石油とか金属のような資源がそれに当たるんですかね。
でも、世の中の大半のものは、
キャベツの例みたいに工夫することで、
別の商品として差別化することができるということです。
USJに行ったら自販機のコーラが250円だったのですが、
これもまさに同じことが起きてるわけですよね。
普段だったら120円なのに、
テーマパークという特別な場所なら250円でも売れるのです。
僕も自分でサービスを作って販売するときは、
「この値段で売っていいのかな…」なんて随分悩みました。
モノを売ることに、メンタルブロックがかかっていたのです。
でも、最近はこういうことを考えた上で、
ちゃんと説明して同意してくれたなら、
いくらで売ってもいいんだと思えるようになりました。
(ちなみに、返金保証をつけたりすると、
売る側としても安心してサービスを販売できますよね)
ということで、今回話したかったことは以上になるのですが、
それにしても「価値」って本当に不思議ですよね。
最近、僕がよく考えるテーマでもあります。
お金について勉強するまで、
僕は「需要と供給」的な見方しか知りませんでした。
でも、需給じゃ測れない価値も存在するということなんですね。
ほんと勉強になります。