損得勘定では行動を継続できない

タイトルの通り、最近つくづく思うのが「人間って損得勘定では行動できないよな」ということです。

古くから「人を動かすにはアメとムチだ」みたいな言葉があるわけですが、でも、人ってそんなに合理的な存在なのでしょうか?…と、僕は考えるわけです。

例えば、「お金がもっとほしいと思いますか?」という質問をすれば、世の中のほとんどの人はYESと答えるでしょう。

でも、それだけ多くの人がYESと答える(と予想される)割には、貪欲にお金儲けしようと頑張っている人は、非常に少ないように感じます。

おそらくですが、たいていの人は「もっとお金があればなあ…」なんて考えつつ、家に帰ったらダラダラとテレビやYoutubeを見て、なんとなく一日が過ぎ去っていく…という非合理的な時間の使い方をしているんじゃないでしょうか。

実際、僕もそんなかんじですから^^;

だから、人間というのは、メリット・デメリットみたいな損得勘定をして、合理的に動いているわけじゃありません。

そのことを、僕らはもっと知っておくべきだと思うんですよね。

ちなみに、なぜこんな話をするかというと、悩み相談で「やるべきだとわかっているのに行動できない」とか、「自分を追い込んでも行動を継続できなくて困っている」みたいなメッセージがすごく多いからです。

そういう悩みを抱える人たちは、きっと「人間はアメとムチで動かせる」というふうに思っているのでしょう。

まあ、たしかに人間には「アメとムチ」で考えて、合理的に頭を働かせることもできます。

でも、それってせいぜい一日の生活のうち、3%とか5%くらいじゃないかと思うんですよね。

それ以外は、これといった理由のない非合理的な行動が僕らの生活を占めるわけです。

だから、まずは「人間は非合理的な生き物である」という事実を受け入れましょう。

そうすれば「やるべきだとわかっているのに行動できない…」なんてことで悩まなくなると思います。

なぜなら、それは当たり前のことですから。

で、そんなことを話すと、「じゃあ、何によって人は動くのか?」という疑問が浮かぶかと思いますが、残念ながら、それは「〇〇によって人間は動くんだ」と答えられるものではありません。

だって、それが言えたとしたら、結局のところ人間はアメとムチで動いていることになってしまいますからね^^;

だから、自分以外の他のものを用意しても意味がなくて、それよりももっと深いレベルのもの、いわば「自発性」によって人は動くのだと僕は考えています。

では、自発性によって動くとはどういうことか?

それは「何かを儲けよう」とか「何かを達成しよう」といった執着心が一切ない状態のことです。

やったところで得するわけじゃないのだけれど、とにかく自分にとって必要だからやる…ということです。

「アメとムチ」モデルで考えることに慣れてしまった人には、あまり意味がわからないかもしれませんね^^;

でも、そうやって「何か得してやろう」という気持ちを捨てない限り、行動を継続させることはできないと思います。

例えば、福本伸行さんの「アカギ」という漫画には、ギャンブルの天才である「赤木しげる」というキャラクターが出てくるのですが、そのアカギの活躍を見て、周りの大人たちは「これだけの才能があれば大儲けできる!」みたいなことを考えるわけです。

ただ、当のアカギ本人は、お金には全くもって興味がないんですね。

ものすごい修羅場をくぐり抜けた末、賭けに勝って報酬を手にしたとしても、アカギとしては「子どもが興味のない玩具を見るような目」でしか、お金を見ることができないのです。

そして、その様子を見て、同じ博徒である南郷という人物は「自分はギャンブルには向いていないんだな」と感じるわけです。

アカギの強さの秘訣が「ギャンブルそのものを純粋に楽しんでいることにある」と気づいたんですね。

「それに比べて、自分はお金を儲けることを目的としている」「そんな人間がこの世界にいていいわけがない」

そう考えて、南郷さんはギャンブルから足を洗い、まっとうに生きていこうと心に決めるのでした。

正直言って、アカギのように達観することは、僕らには厳しいかもしれません。

ただ、それでも「何かを継続する」という点において、見習うべきことがあると思っていて、それは繰り返しになってしまいますが「損得勘定をしない」「儲けてやろうと考えない」という姿勢ですね。

損得勘定の結果「何かを習慣化させよう」と思ったとすれば、それは言い換えると「得しないならやらない」という判断になるわけですよね。

どんなことでも共通していると思いますが、最初から結果に繋がる努力ができるわけじゃありません。

むしろ、結果につながらないムダな努力をたくさん積み重ねた結果、次第にムダな部分と有益な部分が見分けられるようになって、少しずつ結果に繋がる効率的な努力ができるようになってくるわけです。

だから、損得勘定で考えている人は、この最初の「結果につながらない無駄な努力」の期間を通り抜けることができないんですね。

それで途中で挫折しちゃうわけです。

なので、何かを習慣化させたかったら、最初の2,3ヶ月はムダな努力を積み重ねるつもりで取り組むこと。

筋トレを継続させたいなら、毎日「お風呂に入る前にやる」みたいにタイミングを決めて、1種目のみの5~10分だけでもいいからやるようにしましょう。

正直、それくらいの努力じゃ、あまり筋肉はつかないかもしれません。

でも、それでいいんです。

だって、損得勘定でやっているわけじゃありませんから。

そこで「ちょっとでも得してやろう」なんて欲をかいたら、途端に挫折しちゃいますからね。

なので、何度も繰り返しますが、最初はムダな努力であることを承知の上で3ヶ月続けましょう。

そして、3ヶ月くらい経ったら、今度は僕らの中にある3%くらいの合理性でもって、結果が出るように方法を改善していけばいいのです。

間違っても、3%の合理性で97%の非合理性をコントロールしようとしてはいけません。

ということで、長くなりましたが、以上が僕の考える継続のコツでした。

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