なぜ自分を許せないのか?

僕は、自分よりすごい人を見ると「なぜ自分はもっと頑張れないんだろうか?」「自分はダメ人間だな」というふうに落ち込んでしまう癖があります。

もし、やれるだけのことをやりきった上で、結果が出ないなら仕方ありません。

それなら僕も素直に結果を受け入れることができます。

ただ、それをやっていない以上、「なぜもっと頑張れないのだろうか?」と自分を責めてしまうんですよね。

でも最近、少し気づいたことがあって、それは「そうやって自分を責めているから行動できないのではないか?」「自分を罰する気持ちが努力する姿勢の妨げになっているのではないか?」ということです。

というのも、罪悪感のようなネガティブな感情があると、身体や思考が固まって行動するエネルギーが失われてしまうからです。

本来なら生産的に使えたはずのエネルギーを自分を責めることで消耗してしまうんですね。

だから、僕はもっと自分自身を許せるようにならなくちゃいけない。

そんなことを考えるようになりました。

とはいえ「許し」とは、そんな一朝一夕で身につくものではありません。

ときには「なぜ自分を許せないんだろう…」なんて考えて、自分を責めてしまいがちです。

でも、たとえそうだとしても許すこと。「許せない自分」を許すのです。

どこまでいってもダメな自分を許す…。

許すことでしか、僕らは未来を良くできませんし、幸せにもなれないと思うんですね。

きっと中には「相手を(あるいは自分を)許しなさい」と聞くと、拒否反応を起こして「そんなことできるわけないだろ」と感じる人もいるでしょう。

おそらく「許すこと」を「過去をなかったことにすること」だと勘違いしているからだと思うんですよね。

でも、過去に起きたことは事実であり、それをなかったことにはできません。

だから、許すとは「過去をなかったことにする」のではなくて、「過去にとらわれて苦しむのをやめて未来を生産的な態度で生きること」だと定義できると僕は思います。

例えば、誰かに嘘をつかれて騙されたとしましょう。

その場合、相手を許すとは、

  • 自分が相手に騙されたのは事実だ
  • でもそれを怒っているばかりじゃどうしようもない
  • 相手に怒りを感じることはやめよう
  • ただ、それは騙された過去をなかったことにするわけじゃない
  • 相手とは距離を置くか、あるいは注意深く付き合う必要がありそうだ
  • 今回の件は自分が無条件に相手を信じすぎてしまったことにも原因がある
  • 次に相手を信用すべきか判断するときはこうしよう

…みたいな態度を取ることだと僕は考えています。

つまりは、今後について生産的な考えを巡らせているわけですね。

「自分や相手を罰していないと、また同じ過ちを繰り返すことになる」

そう考えるからこそ、許せないのだと思います。

でも、許すことは「同じ過ちを繰り返してもいい」といった話ではありません。

そうではなくて、許すとは「同じ過ちを二度と繰り返さないために、どうすればいいか真剣に対策するという、ある意味でイチバン厳しい姿勢を取ること」なんです。

正直、前向きに考えて生きることよりも、許さずに誰かを恨んで生きていくほうが楽です。

だからこそ「許せない」と言っている人もいるんじゃないかと思ったりします。

では、許しについて理解を含めたところで、実際には人はどうすれば許せるようになるのでしょうか?

…これは本当に難しい問題だと思います。

というのも、「誰かを許せない」という人も、頭の中では「許して楽になるべきだ」と理解できていると思うんですよね。

でも、それでもどうしても人を許せなくて困っている。

だから、これはきっと理屈でどうこう言って直せるものじゃないのだと思います。

理屈みたいな意識の次元ではなく、無意識に染み付いた心のクセが邪魔しているんじゃないでしょうか。

無意識に起きることだからこそ、ついつい過去に囚われて相手や自分を責め、無駄にエネルギーを消耗して、あとになって「何をやっているんだ自分は…」と感じるわけです。

じゃあ、無意識の心の動きをコントロールするためには、どうしたらいいのか?

僕が一つ可能性を感じているのは瞑想することです。

瞑想とは、自分が悪い思考パターンに陥ってることに気づき、その思考に反応せず、自分を客観的に観察すること。

だから、瞑想を練習することで、最終的には自分を許せるようになるんじゃないか。

そう考えて、僕は現在、毎日20分ほど瞑想するようにしています。

本当はもっとたくさん練習したいのですが、瞑想はなかなか難しく、その練習から逃げたくて時間を増やせないでいます。

…と、まあ、とりとめのない話になりましたが、長くなってきたので、今日はここまでにしたいと思います。

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