テレビ朝日のインタビューの中で、サイバーエージェントの藤田晋さんが「憂鬱じゃなければ仕事じゃない」と発言しているのを聞きました。
藤田さんのような人でも仕事が憂鬱に感じのだと思うと、なんだかホッとするような気持ちになれますね。
「決して自分だけじゃないんだ」と。
僕のような社会経験の浅いものからすれば、仕事が憂鬱だと感じると「自分はこの仕事に向いてないんじゃないか」なんて考えに陥ってしまいがちですが、たぶんそれは間違っているんですよね。
仕事が憂鬱なのは当たり前の話で、その憂鬱さを楽しめるようにならなくちゃいけません。
たぶん、これはコーヒーを楽しむことに似ているんじゃないかと思います。
コーヒーというのは、特にブラックだと苦味や酸味が強いので、小さい子どもが飲んでも「まずい」としか感じられないでしょう。
でも、大人になると、経験のせいか味覚の変化なのかわかりませんが、これがおいしいと感じられるようになるんですよね。
そして、一度でもおいしいと感じられるようになると、この苦味がなければ物足りなく感じてしまうのです。
ちなみに、「仕事は大変だぞ」「学生のうちは気楽でいい」といった話を聞いて、社会人として働くことを恐れている学生さんは多いと思います(僕もそのうちの一人です)。
でも、それって「コーヒーは苦いんだよ」と言われるのと同じだと思うんですよね。
「そんなの当たり前じゃん」って話です。
むしろ、その苦味があるからこそコーヒーを飲むわけですよね。
甘いものばかり食べていたら気持ち悪くなっちゃいます。
仕事についても同様です。
「大変だ」とか「辛い」といった感覚があるからこそ、それを求めて働くわけで、ただ気楽なだけだったら絶対に不満が出てきます。
なにぜ、つまらないことのために毎朝出かけることほど、疲れを感じることはありませんから。
なので、働くことを恐れずに「苦味を楽しめるようになるんだ」くらいの感覚で構えておけばいいと思います。
で、話を戻すと、どんな仕事でも苦味の成分は存在します。
そして、この苦味を避けようとすると、それは仕事じゃなくなるんですよね。
楽しようと、中身のないことに時間を費やしていては、決して成果は上がりません。心も満たされません。
だから、憂鬱な気持ちは必要なんです。
僕らはそれをコーヒーの苦味と同じように楽しめるようにならなくちゃいけません。
そうなるように自分を訓練していくべきなんですよね。
というわけで、憂鬱な気持ちになったときこそ今回の話を思い出して、その憂鬱さを美味しく味わえる大人になりたいと思います。