感情ではなく意志によって人は変わる

以前の話ですが、僕には「怒りや妬みのようなネガティブな感情が強いほど行動できる」なんて思っていたことがありました。

つまりは「強い感情がないと人は自分自身を変えられないんだ」ということです。

それは、おそらくですが、成功者の話の中で「この悔しさをバネにして…」みたいな言葉を聞くことが多かったからだと思います。

でも、あるとき気づいたのですが、そこでいう「悔しさをバネにする」とは、感情で動くことではないんですよね。

感情ではなくて「意志を持つ」ということです。

当時の僕には、この違いがわかっていませんでした。

感情というのは、結局のところ、身体の感覚に反応しているだけに過ぎません。

例えば、誰かに馬鹿にされたり、見下されたとき、僕らはそれに反応して怒るわけじゃないのです。

そうではなくて、まず最初に、腸が煮えくり返るような感覚や、胸を締め付けられるような感覚が起きて、次にその感覚に脳が反応して怒りを感じるわけです。

この違いは「感情で行動してはいけない理由」を理解する上で非常に大切です。

というのも、身体の感覚というのは長くは続かないからです。

例えば、かゆみを放置してずっと我慢していると(それが自然に起きたかゆみであればの話ですが)、いつのまにか消え去ってしまいます。

そして、身体の感覚が長続きしないということは、それによって引き起こされる感情も長続きしないということであり、その感情によって起こした行動も長続きせず、結果として失敗に終わるというわけです。

そんなわけで、自分自身を変えようと思ったら、僕らは感情ではなく、意志によって行動しなくちゃいけません。

意志とは「なにかに突き動かされる」といった受動的なものではなく、何者にも支配されない能動的なものです。

何者にも支配されないからこそ、長期に渡って行動を継続できるんですね。

では、その肝心の「自分を変える」という意志は、どうやったら生まれるのか?

…それは、きっと誰にも教えられないものだと思います。

というのも、「こうすればいい」と教えられたら、それは「何者にも支配されない能動的なもの」ではなくなってしまいますよね。

なので、意志は各自の方法・努力で獲得していくしかないとしか言えません。

まあ、結論としては頼りないかんじがしますが、それでも「感情で動いちゃいけない」というのは知っておいて損はないでしょう。

それさえ知っておけば、大きな落とし穴にはまることがなくなって、成功確率がグンと上がるわけですから。

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