目標達成のコツといえば「目標から逆算することが大切だ」という話をよく聞くかと思います。
これはまったくもって正しいことで、というのも目標と関係のない努力をしていては意味がありませんから、手持ちの資源で最大限の効果を出せるように逆算して考えるべきなのは当然です。
ただ、効率の良さを意識するせいか、一切のムダを排除して確実に正解を引き当てようと、逆算して考えてばかりで行動しない人が多いように思います。
たしかに逆算は大切なのですが、ただ逆算して考えるだけで目標を達成する上手い方法を思いつくことなんて、よほど簡単な目標じゃない限り、ありえないことなんですよね。
だから、そういう意味では「とりあえず現在の自分にできることをやってみる」という積み上げ思考も大事だと思うんです。
話がちょっと抽象的になってきたので、ひとつ具体例を上げましょう。
健康のためにも筋肉をつけようと思いました。
で、筋トレについて調べると、
- こういうトレーニングをすれば効率よく鍛えられます
- トレーニングはこれくらいの頻度が最適です
- プロテインはこのタイミングで飲みましょう
…などなど、たくさんの情報が出てくるわけです。
もちろん、これらはすべて筋トレに効果のあるノウハウなのでしょう。
ただ、初心者がいきなりこれらをすべて守ってトレーニングを継続できるかというと、それは非常に厳しいんですよね。
というのも、ひとつのことを実践するだけでも大変なのに、それが10個も20個もあるとなったら、頭が混乱して行動が止まってしまうからです。
なので、僕がたどり着いた結論が「お風呂に入る前に10分ほどダンベルを振ってみよう」というものです。
トレーニングの方法も、近くの本屋さんで偶然見つけた筋トレの本(DVDとセットのやつ)に書いてあるメニューを、見様見真似でやるだけです。
正直、初心者が形を真似しているだけなので、トレーニングの効率的にも、全然至らないところが多いと思います。
ただ、そんなムダの多い方法でも、継続していれば筋力はついてくるんですよね。
実際、体組成計で測定してみると、ずっと痩せ型だったのが、半年で普通レベルまで筋力を増やすことができました。
で、それくらい継続していると、最初に調べたときのノウハウについて、「これは絶対に守るべきだけど、これについては別に大して重要じゃないな…」というふうに、優先順位が見えてくるようになるんですよね。
そして、優先順位が見えてくると、重要なことにより時間を使えるようになって、無駄な努力の度合いが小さくなり、より少ない労力で結果を出せるようになるわけです。
というわけで、僕が何を言いたいのかというと「逆算だけじゃ見えないことがたくさんあるよ」ということですね。
ムダの多い積み上げ的な努力でも、実際に量をこなすことでしか見えないことって、たくさんありますし、そういう知見を貯めていかない限り、目標達成は難しいです。
とはいえ「ひたすら積み上げ型の努力ばかりしろ」というのも違うわけで、だから、僕としては、逆算と積み上げの両方をバランス良く組み合わせたときに、イチバン上手くいくんじゃないかと思っています。
僕らはスマートに結果を出したいあまり、ついつい頭で考えてばかりになっていまいがちですが、ある程度のムダを覚悟した上で、ちゃんと手も動かしましょう…という話でした。