人間分析の方法論のひとつに「体癖論」というものがあります。
これは、「整体」というものを確立した野口晴哉さんが、その治療経験をもとに作ったものなのですが、この理論の面白いところは、よくある心理テストの結果みたいなのとは違って、顔つきだったり身体の使い方や、なりやすい病気にまで洞察が及んでいるところなんですよね。
体癖論では、主に人間を10種類の型に分類することになっています。
まあ、人によってそのうち2~3までを兼ね備えていたりするので、組み合わせまでを考えると、もっとたくさんということになるのですが、基本的には10種類に分けます。
人間の腰椎は5つあるのですが、その5つのうち、身体の動きの中心となるものが、人によってそれぞれ違うそうなんですね。
で、その中心となる腰椎の5パターンと、エネルギー消費の体質(鬱散型・集注型)の2パターンをかけ合わせて、5×2=10種類の型ができるわけです。
10種類もあると、血液型占いの4種類とかと違って、より細かく人間を見ていくことができるので、実践でも扱いやすかったりします。
ちなみに、僕自身、体癖論については、数年前から言葉だけ知っていたのですが、あまり興味が湧きませんでした。
「血液型占いみたいなものでしょ」くらいにしか考えてなかったんですよね。
ですが、あるとき、精神科医の名越康文さんが体癖論を使って、かなり正確な人間の分析をしているのを見て、いろいろ調べ始めたというわけです。
それで、体癖論を少しかじってみて思ったのが、「人間関係が苦手な人ほど、体癖論を学ぶべきなんじゃないか」ということです。
それはひとつには、単純に「相手の性質を見極めることでコミュニケーションが円滑に捗るから」という理由からです。
そして、もう一つの理由が「相手の体癖を考えることで、その人自身に興味を持つことができるから」というものです。僕としては、こっちのほうが重要ですね。
僕は、自分の体癖からも言えることなのですが、理屈で考えることがものすごく好きなタイプです。
理論として学んだことを実践を通じて確認していくのが、すごく楽しいんですよね。
なので、人間関係が苦手な僕でも、それを「体癖論を研究する場」として捉えることで、いつもより楽しむことができるわけです。
と、まあ、そんなわけで、「僕みたいなコミュニケーションが苦手なタイプの人は、ぜひ体癖論を学ぶといいんじゃないかな」という話でした。