生き物を例に「2乗3乗の法則」を分かりやすく解説してみた。



 

今日は「2乗3乗の法則」について話します。

2乗3乗の法則とは、長さの2乗に比例する面積と、
3乗に比例する体積から物の大きさや形を決める法則…なんですが

こんな説明をしてもわかりにくいと思うので具体的に説明していきたいと思います。

 

◆アリは本当に力持ち?

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アリは自分の体重の5倍もの重さのものをアゴでくわえて運ぶことができます。

一方で大きくて力のある、あのゾウでさえも自分の体重の2倍以上の重さのものを持ち上げることはできません。

こう聞くと、アリはとんでもなく力持ちな生き物であるように思えます。

 

でもそれは違います。

本当は、

「2乗3乗の法則の影響によって、アリが力持ちに見える」

といった方が正しいです。

ではこれがどういう意味かを説明していきましょう。

 

アリの胴の長さが5mm、ゾウの胴の長さが5mだとします(だいたいこんなもんです)。

ではアリをゾウと同じ大きさに、つまり1000倍の大きさに拡大してみたとしましょう。

アリの体重はどれくらいになるでしょうか?

 

体重は体積に比例します。

そして「体積=タテ×ヨコ×高さ」なので

体の大きさが1000倍になったら体積は、

1000×1000×1000=10億

つまりアリの体重は本来の10億倍になります。

 

一方で体重を支える足の断面積は

「面積=タテ×ヨコ」だから、

なので体の大きさが1000倍になったら足の断面積は、

1000×1000=100万

つまりアリの足の大きさは本来の100万倍になります。

 

ここでちょっと考えてみてください。

アリをゾウの大きさまで拡大したとき、

体重は10億倍になるのに対して、足の大きさは100万倍です。

これじゃあ全く釣り合っていないことが分かりますよね。

 

10億÷100万=1000ですから、

アリの足には今までの1000倍もの負担がかかることになってしまいます。

 

想像してみてください!1000倍ですよ!

自分の足に1000倍の負担がかかったら、
きっと立ち上がることすらできなくなるでしょう。

 

それはアリでも同じです。

体重の5倍のものを持ち上げるどころか、立ち上がることができずに足が壊れてしまうでしょう。

 

つまりアリがとんでもない力持ちに見えたのは「2乗3乗の法則」によるものだったのです。

 

アリがあの細い足で重たいものを平気で支えられるのは、
まさしくアリが小さいからなのです。

ゾウの足がとても太いのは、まさしくゾウが大きいからなのです。

 

このように「2乗3乗の法則」は生き物の大きさと形を決める法則であって、
この法則を無視した体を持つ生き物はいないんです。

 

これって面白くないですか?

ぼくはめちゃくちゃ面白いと感じるんですが…^^;

 

同様に考えるとゴジラやガメラのような超巨大生物は、
足が細すぎて体を支えられないことが分かります。

つまり生き物はゴジラやガメラのようには進化できない…ということです。

ちょっと残念でもありますが笑

 

◆ベルクマンの法則

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さっきは体重と足の面積から生き物の体の形について考えたわけですが、

同じ考え方で生き物が蓄える「熱」について取り扱ったものがあります。

 

例えば、熱帯に生息するマレーグマは体調が140cmと小柄ですが、北極に住むホッキョクグマは200~300cmの大きさになります。

つまり暖かいところに住むクマよりも寒い所に住むクマの方が体が大きいんです。

 

そしてこれはクマだけに限った話じゃありません。

恒温動物(自分の体温を一定に保とうとする生き物)については一般に言えることだそうです。

 

これを「ベルクマンの法則」といいます。

このベルクマンの法則も同様に、2乗3乗の法則から説明できます。

 

体で生まれる熱の量は体積に比例します。

一方で体から出ていく熱の量は体の面積に比例します。

つまり体が2倍になれば、

(生まれる熱)÷(出ていく熱)

=(2×2×2)÷(2×2)

=2倍です。

 

体が3倍になれば、

(生まれる熱)÷(出ていく熱)

=(3×3×3)÷(3×3)

=3倍です。

 

つまり体が大きくなるほど「生まれる熱」の方が「出ていく熱」に比べて大きくなります。

そして、北極などの寒い地域で生きていくためには体の熱を大事に蓄えておく必要があります。

ということは体が大きい方が熱を蓄えやすいので生存競争で有利なわけです。

 

暖かいところに住むマレーグマの体が小型で、寒い所に住むホッキョクグマの体が大きい理由が簡単な算数で説明できたわけです。

 

◆まとめ

 

内容はなんとなく理解してくれましたか?

こんな感じで2乗3乗を考えると結構おもしろいことが分かります。

 

生き物についてだけじゃなく工学の分野でもこの「2乗3乗の法則」は使われていて、
船の設計だったり飛行機を作る際にも大事になってきます。

 

それと、マンガやアニメの世界に当てはめてみるのも面白いですね。

さっき言ったゴジラやガメラだったり、ガンダム、ウルトラマンなどの少年の夢が科学的に否定されてしまいます^^;

 

こんなふうに大きさを変えたらどんなことが起きるかを考える分野をスケーリング理論といいます。

2乗3乗の法則はそのスケーリング理論の一部です。

 

みなさんも興味があったら調べてみてください。





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